大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

庭園で花冠を編むエミリア「テセイデ」仏訳本より

叙事詩「テセイデ」はボッカッチョが俗語で書いたアテネ王テセオ(テセウス)の物語。実際の内容はテセオの治世に起きた、王妃の妹エミリアとテーベの王族の青年二人アルチータとパラモーネの恋の物語。
テセオはアマゾン国を征服、女王イポリタを妃とし、妃の妹エミリアとともにアテネに戻った。凱旋行列の途中、喪服で悲しんでいるテーベの女たちの訴えを聞き、テーベを征服、瀕死の王族の青年パラモーネとアルチータを捕らえてアテネの牢獄につないだ。牢獄の窓から庭園で花冠を編むエミリアを見た二人はともに彼女に恋をした。(上図)
さまざまな経緯の後、テセオの命で騎馬試合の勝者がエミリアと結婚することになった。パラモーネは軍神マルスに祈り勝者となったが、その後落馬事故で死亡した。死の床のパラモーネの願いで、エミリアは愛神ヴィーナスに祈ったアルチータと結婚する、という物語。(チョーサーの「カンタベリー物語」騎士の話の源泉とされている)